一昔前の住宅ローン借入金額の目安が年収の5倍と言われていた理由

皆さんが望んでいる「無理しない住宅ローンの借り入れ金額の目安」はどれくらいなのでしょうか?ちなみに一昔前までは目安の借り入れ金額は「年収の約5倍」とされておりました。(400万円以下の場合は4.5倍)

平均年収と平均購入価格の比率である「価格年収倍率」は、2000年代は4倍前後であったものが、2008年のリーマンショックの金融危機による一時的な低下はあったものの上昇し続け、2014年は4.94倍(推計)と5倍に迫っている。返済負担率は25%以内がひとつの目安 一方で、返済負担率別に住宅ローンが返済不能になる割合を見ると、返済負担率が25%を超えると高くなる傾向が見られる。特に「2009年以降に住宅ローンの返済を開始した場合」では、その傾向が顕著だという。これは景気の悪化などで収入が減ったり、失業したりといった影響を受けた場合に返済負担率が高いほどローン返済が難しくなるからだ。この結果から考えると、返済負担率の目安は25%以内といえるだろう。

SUUMOより抜粋

また大手メディアのSUUMOやホームズでは

住宅ローンの借り入れは年収の5倍

○手取りの返済比率が25%の以下の支払い

を推奨しております。

例えば500万円の年収の方であれば「2,500万円の借り入れまで」が、無理のない住宅ローンの組み方になります。返済額でいえば変動金利だと毎月7万円で収まり、手取りが30万円だったとしても返済比率が23%になりますので、返済比率も25%以下でクリアです。ではなぜ年収の5倍までとか言うのでしょうか?

それは住宅ローン以外にも生活費や養育費などにお金がかかる為、住宅ローンの支払いだけで生活が苦しくならないようにするためにです。

ではその「借り入れ目安の年収の5倍」で計算した金額の予算で希望物件や建築計画が立てられるのでしょうか?

 

実は住宅販売価格と借入金額の目安にギャップがある事と一昔前の借り入れ目安には頭金が2割あることを前提に話している問題があります。

はい!皆さん自分の無理のない借り入れ金額の計算はしてみましたか?ちなみに年収が500万円の人であれば、2500万円以内で「SUUMO」や「ホームズ」で希望エリアで物件を探してみて下さい!!

物件がない!!

って状況に陥りませんか?

割と田舎の方の建売住宅とかであれば何とか購入できる可能性もありますが、福岡市内での建売住宅や土地からの購入では物件自体が無いのではないのでしょうか?

そうなんです。借入の目安っていうのは実はここに大きな罠があります。この無理のない借入金額の目安というのは、諸経費以外に最低でも物件価格の2割の頭金を住宅ローンにプラスして購入する計算なんです。つまり、3,000万円の物件を購入しようとするときには、頭金が2割の600万円必要だと言う事です。更に諸経費は別途で用意する必要があり、新築マンションでは100万円~150万円・戸建てでは150万円~200万円・注文住宅であれば販売価格の10%が諸経費と言われています。

頭金2割で計算すると、3,000万円の物件を購入しようとするためには、諸経費と頭金を足して800万円~900万円は必要になってきます。4,000万円であれば1000万円以上の頭金が必要です。

元住宅営業マンの私から言わせてもらいますと・・・・・

「そんな頭金を持っている人は20組に1組だけだよ!!しかも大体50代ぐらいの方だよ」(笑笑)

この目安は住宅を販売したことのない広告会社やFPなどの住宅の市場や販売状況を詳しく知らない人たちが単に「支払い金額だけで計算している」に過ぎないのです。現在の不動産市場の相場価格を知らないのと皆さんのお財布事情も知らない・・・・・古き良き時代の理想論にしかすぎません。

続く

住宅ローンは年収の7倍?「年収の5倍」では希望物件が買えない現実とは?

普通、住宅の購入で一番重要となるのが資金計画ですよね?その中でも最も気になる事が住宅ローンの借り入れがどこまでできるかになりませんか?

なぜなら住宅ローンが借りられなければ、まず土地も買えない。仮に自己資金で土地が買えても、その後の建築費は?また建売住宅にしてもマンション購入にしても自己資金とのバランスによっては住宅ローンの借入をする事にはなるので、その借入額がどれくらい可能なのか?が分からないと購入することができないですよね?

結論から言うと建築計画を始める前にはまず「自分の年収でどれくらい住宅ローンが借り入れできるか?」というポイントから始めましょうという事です。自分の借りられる金額の目安がわかれば、あとは目安の借り入れ金額以内で「SUUMO」や「ホームズ」などで、自分に希望条件に合う戸建てやマンションの物件情報を集める事ができます。何事もベースになる情報があると調べ物が楽だってお話しです。だから「借り入れ金額の目安を知ること」はとっても重要なのです!

ちなみに一昔前までは年収の5倍までの借り入れの範囲で物件を探したり建築計画を進めるのが暗黙の了解でした。

つまり年収が400万円の方は2,000万円の借り入れで頭金を2割以上用意して2,480万円の物件を購入するイメージです。

しかし!!

今はその考え方は古すぎます。

現在では基本「住宅ローンの借入額の目安は年収の7倍程度」です。まぁ7倍以下が好ましいと・・・・

今日からはこの住宅ローンの借り入れ目安が7倍の理由及び、5倍の借り入れ目安の金額内で希望する物件が購入できない現実について書いてみようと思います。

 

事前審査は通ったのに本審査が通らない理由は?

一般的に銀行では「事前審査」が通ればほぼ90%以上は本審査が通ったと思っていただいて間違いはないのですが、残りの10%の方は残念ながら「非承認」をもらっております。その考えられる理由をいくつか挙げてみます。

 

○事前審査の内容と大きく異なっていたとき

「事前審査との内容」が大きく異なる場合、具体的な理由として多いのは

1、転職

2、新たな借入

この2点が多いと思います。

1つ目の「転職」についてですが「融資のタイミングによってはバレないでしょ?」と安易に思われる方もいるでしょう。これは絶対にやってはいけません。例の「S銀行不正融資事件」後に金融庁の引き締めで、勤務先に在籍確認をしたり、中には勤務先が実在するか確認を徹底する銀行が増えてきました。ちなみに以前は意外としていなかったと思います。

次に「新たな借入」についてですが、新たな借入時にその借入先が「個人信用情報センター」にその新たな借入情報を登録します。当たり前の事ですが、当然本審査時にも「個人信用情報センター」にて確認するので一発でばれます。身内から借りたり、闇金から借りれば別ですが、絶対に借りないでください。

その他にも「課税証明書」を提出するのですが、内容を確認すると「収めている税金の金額がわかる」為に「他にも収入が有る事実」が判明します。この「他に収入があったのにも関わらず確定申告をしていなかった場合」は、脱税とみなしてアウトになります。

以上、これらの原因が理由で本審査で承認が出ない場合、例えば不動産契約の際にある「ローン特約」は使えません。該当する方は絶対に物件の引き渡しまで仕事を辞めたり、新たな借入を起こしたりしないでください。

 

○健康状態の理由

申込書に病名を記入した場合は審査は銀行が行うのではなく、保険会社が判断します。

私の経験上ですが、「鬱・不整脈・ガン」はNGでした。他にも心筋梗塞・糖尿病などは審査が厳しいと思います。(ケースにはよりますが)健康状態に自身のない方は、金利は多少上がりますが「ワイド団信」という一部の銀行で取り扱っている「疾病内容が緩和された保険商品を使うか、団体信用生命保険加入の特約が無い「フラット35」を利用するかのどちらかになります。ただし、このパターンで融資を受けた場合、借入された本人が返済途中で亡くなった場合には保険処理ができません。そのつもりで他の保険に入るなりして不測の事態に備えねばなりません。

 

○新たな理由が出てきてNGとなる場合

これが圧倒的に一番多いです。

事前審査以降に新しく借り入れを起こすのは論外だとしても、1社の情報しか見ていない事前審査から、本審査では複数社の情報を見ている為、事前審査の時に出てこなかった延滞の数なども不承認になる原因です。

本審査が落ちてしまった場合はほとんど個信が原因なので、次の本審査が無事に通るようにするためには自分の個人信用を開示して対策を練る必要があります。まぁこのテクニカルなやり方が必要な場合は当社にて段取りを行ったりしますが・・・・

 

本審査と事前審査の違いは?

ここで言う「本審査」とは簡易的な審査をする「事前審査」とは違い、提出する書類を増やす事で書類上、また個人信用情報上の内容を細かくチェックします。

更にプラスして「健康面のチェック」があります。審査期間は1週間~2週間は時間を要している感じです。ここで重要になるのが申込み時の「団体信用生命保険に加入できるか?」の審査(健康面)があります。以下に内容を記載してみます。

ではまず「本審査」ではどこを見るのか?

・事前審査の時の申込書類の内容が、提出書類と一致しているか?

・事前審査で確認した個人信用情報の内容が一致しているか?

・団体信用生命保険に加入する上で、健康状態に問題はないか?

・物件の担保評価は借入金額と同等にあるか?

・暴対法の関係で警察の審査が入る←2018年3月から

 

・事前審査の時の申込書類の内容が、提出書類と一致しているか?

本申込時の書類のチェックでは事前審査申込書の内容が提出書類と内容が一致しているかを確認します。代表的なのが「会社の在籍確認」です。実はフラット35の本審査では会社の目の前まで赴き、会社がちゃんと存続しているかも確認するんですよ!知ってましたか?また本審査で聞かれる内容としては、税金を支払っているかを確認する「課税証明書」が必要になり、自営業の方であれば、「納税証明書その2」が必要になります。特に自営業の方は更に決算書の内容について、事前審査の時以上に詳しく聞かれます。主には聞かれることが多い内容としては

・赤字の場合、赤字の理由・経費によるものか?それとも売り上げ的な問題か?

・急な業績UPや業績DOWN(DOWNの方は落ちる可能性が高い!)

またそれ以外の理由として、家から職場が遠いけど大丈夫なのか?などの勤続先についても聞かれたりします。

 

・事前審査で確認した個人信用情報の内容が一致しているか?また新たな借り入れ等が無いかをチェックする。

事前審査で個人信用情報を確認しているんじゃないの?と疑問に思う方もいらっしゃると思いますが、事前審査ではあくまでも「1社の登録情報」しか確認しておりません。本審査では平均2~3社の個人信用情報会社であなたの情報を開示して、事前審査以外の情報の有無を確認するのです。銀行は他の借入の有無のチェック漏れを防ぐ為に、複数の信用情報を確認するのです。もし理由もなく「本審査がNGになった場合」は、事前審査時にチェックした個人信用情報以外で、まずい借り入れが出てきた場合だと考えられます

 

・団体信用生命保険に加入する上で、健康状態に問題はないか?

住宅ローンを組まれる際には「団体信用生命保険」に加入できるかを別紙の告知書で確認します。一般的には銀行で住宅ローンの借入を行う場合「団体信用生命保険」は原則強制加入となります。この「団体信用生命保険」とは借り入れしている方が万が一、亡くなってしまった際に住宅ローンの残高を0円にすると言った借りる方にも安心な保険です。銀行と保証会社にしてみたら、借りている方がすぐに亡くなってしまうと大変困ってしまうので当然、健康状態を審査する必要があります。健康状態のチェックはアンケート式になっておりまして、「はいorいいえ」の2択になっております。聞かれる内容としては、入院を1年以内にしたか・薬は服用しているか?・持病はあるか?の主にこの3つです。お客様の中には「自己申告」だからを良いことに、嘘を記載する方もいらっしゃいますが、私が保険会社の方から聞いた話では、住宅ローンを借りて2年以内に亡くなると書類の虚偽の疑いも考慮して通常よりも細かく調査されるという話を聞いたことがあります。当然虚偽と認められれば保険は下りずに残された家族にお支払いしていただく必要があります。なのでここは正しく書きましょう。また健康状態の審査は「半年に1度審査する」ので、1年後の引渡しの場合は2度審査をしなければならないので注意が必要です。

もし持病を抱えている方は、一般的な銀行で借り入れをするのではなく「フラット35」で借り入れをした方が良いかもしれません。

 

・物件の担保評価は借入金額と同等にあるか?

新築物件の場合は問題はないですが、中古物件の場合は築年数によっては借入金額以上の担保にならず、物件の担保金額までしか借り入れできない場合がございます。(新築でも道路付けによっては担保評価が出ない場合もありますが・・・)中古住宅の場合は事前に不動産屋にしっかり確認をしながら申し込みをした方がよいでしょう。

 

・2018年3月から申込人が反社会勢力の人ではないかを警察が調査するようになった。

2018年3月からは「申込人が反社会勢力の人ではないか?」を警察が金融機関経由で調査することになりました。住宅ローンを利用して反社会勢力の人の資産を増やすことに繋がることから警察が調査します。まぁほとんどの方は特に気にしなくてもOKですが、その影響もあってか以前よりも審査の時間が1週間近く伸びているような気はします。

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