番外編

酸素が他の分子にくっ付いて酸化させるオゾンとどう違うの?

from Staff

消毒やニオイ消しとして古くからあるのが「オゾン」という気体を使ったもの。オゾンは、O2(酸素)にもう1個のOがくっついたもので、化学式で書くと「O3」

 Oが2つの「O2」はカップルのように結びつきが強いのだが、余分にくっついてしまったOは例えるとどちらかの友達がたまたまデートについて来ちゃった感じかな?(かなり嫌な感じやけど)だからすごく居心地が悪い。

成り行きでついてきたOは隙を見て「O2」から離れたい。だからO3が空気中に放出されると、お邪魔虫のOがスキあらば周りにある分子にくっつき酸化する。こうして2人で安定した「O2」と、Oにくっつかれた「酸化○○」という分子になるのだ。だからO3も非常に短命である。

「OHラジカル」に非常によく似ているが、相手の分子を酸化させ、除菌や消臭を行なうところは一緒。また短命という点でも一緒。違いは相手の分子を酸化させる力が「OHラジカル」より少し弱く、相手を酸化させたあとに残るのは、OHラジカルが「水(H2O)」で、オゾン(O3)が「酸素(O2)」という違いだ。

 オゾン自体はそれほど危険なガスではない。スーパーに並ぶ野菜は大半がオゾンを水に溶かした「オゾン水」で洗浄されているし、トイレ自身が自分を洗う高機能トイレにもオゾン水が使われている。昔は「塩素」を含んだ薄い漂白剤で洗うのが主流だったが、塩素は残留するため、現在は野菜に限らず肉や魚、食品加工工場などでもオゾンに切り替えてきている。また、病院やホテルの清掃などにもオゾン(気体)が使われているほど一般的。ただし、狭い空間に長時間オゾンを放出する(高濃度になる)と、人に害を及ぼす場合がある。とはいえ、一般家庭用として販売されているオゾン発生器は「非常に低濃度」なので危険性を心配することはない。あくまで高濃度オゾンを発生させる業務用機での注意だ。

【ここでのポイント】

・オゾン(O3)も酸化作用はあるが「OHラジカル」に比べると酸化力が弱い
・OHラジカルは非常に短命
・高濃度のオゾンは人に害を及ぼすが、家庭用の発生器は低濃度で安心

ページトップへ戻る