事前審査承認済みでも本審査で非承認の理由③
前回の続きから
事前審査承認を得て、初めて売買契約へ
住宅ローンを利用されて物件購入する場合は、住宅ローンの事前審査承認を得ていなければ不動産売買契約まで進むことをお勧めできません。
先にご説明した通り、不動産売買契約書の中に「ローン特約」と言う項目があり、ローン不承認となった場合には締結済の売買契約自体が白紙解除できるといった内容の条文があります。ですが、住宅ローンが通るかどうかわからない人と契約して、その後のローン審査でNGだったからといって「NGだったので、契約解除します」なんて簡単にされてしまったら、売主としてはたまりませんよね?
一般的には売買契約締結後から改めて住宅ローンの本審査へと流れていきます。そこから一定の期間(約1カ月くらい)が必要になります。まぁ売買契約を結ぶ以上、その人と売主で契約が完結されるので仕方がないのですが、その人がその後にローン審査NGで「契約が白紙解除」となったら、再度時間をかけて購入希望者を探し直し、新たな買主を見つけなければならない事になりますよね?
なので、まずは事前審査承認を得て売買契約まで進む必要があるのです。
【一般的な売買契約までの流れ】
住宅ローンの事前審査
↓
不動産等の売買契約
↓
住宅ローンの本審査
余談ですが、私はネット系銀行やフラット35の事前審査承認を信用しません。
理由はネット系銀行の場合、事前審査時には個人信用情報を見ていないことも多く、審査自体が年収からの返済比率をみる机上審査で事前承認を出している傾向があるからです。また、フラット35の場合でも受け付けた窓口となる金融機関(代理店など)によって違いがあるのですが、次の段階である本審査では、機構での最終審査となる為に動きが読めない部分もあるからです。
仮に本審査でローン非承認となったとしても、金融機関に対して責任等を追う事は出来ないですからね。あと、事前審査承認後に事前審査承認書を書面でもらうのですが、大概の書類には「本審査の結果により融資をお断りする場合もあります」等の文言が記載されております。
いずれにせよ、万が一契約締結後に住宅ローン本審査非承認となった場合はローン解約期日までに売買契約自体を白紙解除するしかありません。
その期日を過ぎてからの契約解除は違約解除となり、違約金が発生しますので注意が必要です。
ちなみに個人信用情報調査ってご存知ですか?
これは、全国の金融機関が加盟しており借入者の融資状況や返済状況等を紹介することが出来ます。
全国銀行個人信用情報センター
CIC
JICC
一日でも融資返済期日が遅れるとその履歴は残ります。その履歴は数年間残る形になるのですが、融資審査した金融機関は、個人信用情報を調査することにより金融機関やクレジット会社等での融資返済の履歴を確認することが出来ます。
過去に返済の遅延等があれば当然審査でも「この人は住宅ローンをちゃんと返済できるのかな?」と見られるわけです。いわゆるブラックリストという表現を使う方もいますが、ブラックリストという名前のものは存在しておらず、個人信用情報機関に遅延等の事故履歴が残ることをブラックリストと呼んでいるのです。
本日はここまで。 次回に続く